少し前まで、終身保険はドル建が売れていたのですが、今は変額保険が主流となっています。私も、前職の会社では変額保険が無かったので、ドル建終身保険を中心に販売していました。
ドル建のメリットとして、①予定利率が高いので、円建て終身保険に比べると保険料が安価である。②世界の主軸通貨であるドルを資産の一部として保有できる。③ドル建てで預かったお金は米国の公社債で運用されるので、利率が高い。④為替相場によって為替差益を期待することができる。といったことが挙げられるでしょう。2016年に日銀によって「マイナス金利付き量的・質的金融緩和(マイナス金利政策)」が導入されたことで注目を集めたのも、上記のような金利の高さが魅力的だったからと言えます。
その一方で、ドル建のデメリットとして、①ドルで支払うことになるので、為替交換手数料が発生する。②為替レートによって、毎月の支払い保険料が変動する。③途中解約の場合、支払い総額よりもかなり低い金額しか戻ってこない。④為替差益によって、為替差損が発生する可能性がある(メリットの逆です。併せて、為替リスクがある、とまとめて差し支えないでしょう)。ということが挙げられます。
これらのメリット・デメリットを理解した上で、ドル建てを検討されたらよいと思います。また、各保険会社に多いのが、「払い込み期間満了までは解約返戻金が低く抑えられている」(低解約返戻金型といいます)商品なので、途中解約だと解約返戻金が総支払金額よりかなり低くなることが多いです。これは商品の性質上仕方ないことですが、内包されるリスクと言えるでしょう。その分、満期まで支払った場合の解約返戻金の率は高くなります。
このあたりを理解しないで加入すると、去年みたいに「急に円安ドル高が進んで保険料が凄く高くなった!」みたいな苦情が出てしまうんですよね。保険会社の中には、ドルコスト平均法を用いて納得してもらうよう説得を試みている会社もあるようですが、ドルコスト平均法はドル建では使えませんからね。悪徳な保険会社に騙されないように。
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