がん保険を検討していて調べると、まずは「がん保険必要論」と「がん保険不要論」が出てくると思います。個人的にがん保険は「あったほうがいい」と思っていますが、そもそも保険というのは個人の価値観によって設計内容が異なるもの。従って、要不要も含めて、がん保険が「必要」か「不要」か、なんてものは、一概に割り切って論ずることの出来ない性質のものだと思っています。
例えば、がん初期にかかる費用を考えてみます。乳がんに罹患された方の例ですと、健康診断で早期発見だったため、8日間の入院手術で無事にがんを取り除くことができました。高額療養費の申請をしたことで入院費用の自己負担額は約14万円。これだと、金銭的な負担も少なく、特にがん保険に頼らずともよろしいかと思います。
しかし、この方の例には続きがあり、3年後にがんが肺に転移していることが判明しました。そのときは手術をすることができない状態ということで、抗がん剤治療を通院で行っていくことになりました。おおむね3週間に1回通院して効果が続く限り治療を続けていくということです。長期の治療となりお金もそれなりにかかるものと思われましたが、前回の経験から高額療養費と医療保険があることで自己負担はそれほどないものと安心していました。ところが治療が開始されて定期的に通院して治療費の会計をしてみるとあることに気づきます。
それは、 「高額療養費」と「医療保険」の出番がない ということです。
前回の入院手術のケースと違いがん治療費が単発で大きくかかるのではなく、毎月毎月一定額がかかり続ける状態が続き、しかもいまのところ終わりが見えません。毎月数万円の治療費自己負担があり、いままで貯蓄に回せていた金額がすべて治療費に消えるようになりました。また月によっては赤字になることもあり、治療開始から数ヵ月が経過したところで毎月の家計出費の見直しをせざるを得なくなりました。
この方の場合、乳がんに罹患されたときは「がん保険ってやっぱり不要でした」→転移後「毎月数万円の治療費がかかるとは…」と、ご自身の判断を誤ってしまったために、数年にわたってトータルで数百万円という高額な支払いを余儀なくされたケースです。
がん保険不要論者の考えは、いろいろあるようですが、大きく3つの要素からなります。
②入院は短期化傾向
③高額療養費で自己負担額は大きくならない
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