令和5年度税制改革の大綱において、2024年以降のNISA制度の抜本的拡充、恒久化の指針が発表されました。私の主観として、その中で大きな目玉となるのは①投資枠の拡充と②積立期間の恒久化でしょう。
今まで行われてきたNISA制度の中で、多くの方が利用されていたのは積立NISAだと思いますが、これは年間40万円(月3万円程度)の限度額があり、かつ20年間の投資期間という制度でした。これは複利で5%の計算としても、20年の積立投資で1,000万円を目指せる枠であり、投資で得た利益について非課税となるのでかなり優れた制度だったと認識しています。
しかし、複利効果による恩恵を得ることが出来るのは20年、30年とより長い年月が経過してからであって、その期間において税制優遇を受けることが出来ないのはネックだな、と感じていました。これが、非課税保有期間の無期限化・口座開設期間の恒久化となったことから、NISAの利用についてはより汎用性が増し、多くの方が利用しやすくなったのではないでしょうか。
NISAの制度が出来てから、私が感じているのは、老後の生活資金について国が国民の自己責任において準備させる(つまりは年金制度を当てにするなという)重要性をメッセージとして伝えているのだと思っています。この先、20年後30年後の年金制度を期待するのではなく、非課税とすることで自分で準備しておくよう、間接的に伝えているのではないでしょうか。
私は変額保険と積立NISAの二本立てで将来のお金を準備していますが、実は目的は少し異なっております。①変額保険は、自分が死亡した際、親へお金を残してあげたいため、そして結婚後は配偶者へ負担をかけないため。そして無事に退職を迎えた際には、今後の生活資金とするため。②積立NISAは、純粋に老後の生活資金です。きちんと棲み分けて活用してあげないと、お金が勿体ないのですが、お金の教育については日本は教えてくれないので、こういった制度を活用している人自体、なかなかお目にかかれませんよね。
こういった勉強をしておかないと将来お金がなくても誰も助けてくれない事態に陥ってしまうという危険が孕んでいるのに、日本人は金融リテラシーが低いな、とよく感じます。
コメント