YouTubeで生命保険不要論と言えば、中田敦彦とリベ大の両学長が有名だと聞いています。中田敦彦の面白いところは、父が生命保険会社に勤めており、父親から生命保険に入っていたのに、それを解約した!というのだから、内容はともかくとして徹底的な保険不要論者なのでしょう。
そもそも、中田敦彦や両学長の勘違いは、「資産形成を保険ですると手数料が割高である」とする点ですよね。頭の良い方なら分かるでしょうが、「資産形成は資産形成として、積立NISAやiDecoで行う」のが良いとされており(その点は賛成です)、「保険は保障目的で入るもの」なのです。
そして、生命保険の設計思想を考えると(おそらく両名には設計思想というものがない)、「一生涯の保障は不要」というわけにはいきませんから、終身保険が組み込まれるのです。そして、終身保険が組み込まれる以上、「必然的に」解約返戻金が発生するわけですね。
生命保険は「この先何があるか分からない」からこそ加入するものですが、何も「わからない先のこと」は寿命に限った話ではないのです。「無事に老後を迎え、子供たちも自立した。住宅ローンも払い終わったし、貯蓄もある。年金もあるし、この先、生きていく分には問題ない」状態になったら、「生命保険は少しだけ残して解約しよう」となっても何ら不思議ではありません。そのときに、解約返戻金が多ければ嬉しいに越したことはない、というだけなのです。
だから、「保険は手数料が割高である!」などと言った批判は、資産形成目的で保険に入ること自体がナンセンスなので的外れもいいところなのです。積立NISAやiDecoと同列に扱っている時点で、アホなのです。
もちろん、それに流されてしまう人は仕方ありません。だって、知識のない人が知識のあるような人から話を聞けば、それっぽく聞こえてしまうものですからね。ということで、もし生命保険不要論者がいれば聞いてみましょう。「それって、どういう設計思想したらその結論に至るのですか?」とね。
コメント