先月、厚生労働省が2023年度の公的年金の支給額を22年度に比べて引き上げると発表しました。3年ぶりの引き上げで、23年度中に68歳以上になるケースで1.9%増、67歳以下は2.2%増。22年の物価高を反映したんですね。
老後資金の必要額というのは、年齢によって異なります。物価上昇率というのは基本的に年1%として計算するので、よく老後2,000万円問題と言われますが、今の若い世代にとって本当に2,000万円で足りるのかは物価変動による影響を受けるので一律に論じることは出来ないでしょう。現に、私の友人は公認会計士をやっており、「本当は老後3,000万円問題」という題でFacebookに投稿していました。急激な物価上昇が起こったのは2022年のことですが、その投稿は2020年のものなので、そのあたりお金の感覚に敏感な人は感じるところが以前からあったのでしょう。
老後2,000万円?問題に深く論究することは本投稿では行いませんが、政府が老後の資金を自助努力にて賄うべきとする姿勢は2024年のNISA制度改正などに表れています。それもそのはず、公的年金は若い人が高齢者を支える構造で成立していた制度ですが、今は若い人が減っているのですから支えるべき基盤が大減少するからです。昔は、年金制度は「おみこし型」とか表現されていたんですよ。今や「肩車型」ですからね。破綻するのも時間の問題だと個人的に思っています(読者の方もそう思っている方は多いはず?)。
その問題の解決策を考えると、どうも「努力」や「根性」ではどうにもいかない気がしませんか?別に保険で資産形成をするべき、などと主張するわけではありませんが、何が必要かというと「仕組み化」なのです。例えば「月に10万円を貯金する」と決めたとします。でも、「今月は友人の結婚式や飲み会も多かったから、5万円しか貯金出来なかった」「今月は節約したから12万円貯金出来た」「今月は新しいゴルフクラブを買ったから、来月は貯金頑張ろう」などと繰り返していては、結局目標額にたどり着くことは出来ず、いざ退職が見えてくると「2,000万円なんて金額、到底届かない!」ということになりかねません。
昔は「収入」-「支出」=「貯金額」でしたが、今は「収入」-「貯金」=「支出」の時代と言われています。そして、「貯金」も、万一のときの現金として残しておく金額と、将来のための投資に分けて考えてあげるのが効率のよい貯蓄方法と言われています。その仕組みについて、勉強したほうが良いと思うのですが、多くの方は「なんとかなる精神」で先延ばしにしたままなんですよね。怖いと思わないのかな〜。
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